第三者委員会届出制


医師法21条は、不慮の死亡事故があった場合医療機関は
必ず警察に届出るよう義務づけています。

しかし、警察では何が原因で死亡したのか究明されないし、
やたら責任を追及されるというので医療会や一部の弁護士から、
これを中立的な原因究明を目的とする
第三者委員会に届出るようにしようという政策が提言されました。
現在自民党でもこの政策を採り上げています。

ドイツや米国では中立的な原因究明機関がありますが、
我国にはこうした制度が従来なく、不慮の死が家族に起った場合、
満足な説明がなく、遺族は医療不信に陥っていました。

そこで2004年頃から厚生労働省でモデル事業として
原因究明の機関を設けましたが、一年間に全国で80件程度しか
原因究明が行われず、不慮の死はその20倍以上あるので、
これを拡大する必要があるしモデル事業は医療側の届出だけを
待つ制度なのに患者側の届出を認めようとするのが第三者委員会届出制です。

この制度を実施するのに年間60億程度の予算を必要としますが、
ぜひ実行されることを期待したいものです。